悪口

他者の悪口、陰口が言えてしまう原因の煩悩。

 拙僧は肌が弱く、いつも困っている。

 冬はひび割れ乾燥肌、寝てる間に掻かないよう手袋する。夏は痛くて痒い汗疹、水虫、カンジタで、掻いて肌を傷つけないようにツメはとても深爪して丸く研磨する。我が皮膚下のヒスタミンはいつも大暴れ。ちょっとした刺激で痒くなる。

 

 月参りにて、あるおばちゃんとどこの医院がいいか話題がはずんだ。こういう話題は大好物である。

 

おばちゃん:「あそこの皮膚科は、医者がとても無愛想だから空いててええで」

 しばらくして、

拙:「先日教えてもらった病院、行ってきました。なるほど確かに無愛想でした。でも空いていたので早く済んで良かったです。ありがとうございました」

おばちゃん:「実はこないだ、あたしも行ったのよ。そしたらその時はめっちゃ混でてびっくりした。あんな医者でも、混む時あるんやなぁって」

拙:「へー、そうなんですか。僕としては、空いている方がいいな。いやー、ぼくらだいぶしつれーなこと言うてますね」

おばちゃん:「ほんまやケラケラケラ」

 浅ましい自己が可笑しくてケラケラ笑う拙僧とおばちゃんであるが、お医者様に対して一つも悪いと思っていなかった様子。

 

【悪口】(アック)という煩悩は、そのまま、「他人の悪口を言う」という煩悩なのだが、ここには無知無明が起因する。その人物がどれほどの人物か、浅くしか知らないのに、表面だけ見て悪口や陰口を言えてしまう業が、この身に働いている。

 勝手な想像だが、そのお医者は医療にて人を癒やすと志を立てて、大変な猛勉強をして医者になられた立派な方であるはずだ。それをうわべだけみて笑いものにしてしまう、全く困った煩悩だ。ヒスタミンの様に、見えぬがしっかりはたらいている。ヒスタミンにはお医者様から頂いた薬がよく効く。お蔭で私は助かっているのに、よく笑いものにできるなと、仏さまはあきれておられることだろう。そんな我々の煩悩にはどんな薬が効くのか、もう言うまでもない。