自慢

自分より低いレベルにあると思われる者に、自分は優れていると示そうとする煩悩。

 スネ夫がノビ太に最新のオモチャを自慢する。

 高級外車に乗っていることを自慢する。

 持っていない人に持っていることを自慢する。

 こういった根性は、ひがまれてしまうので気をつけないといけない。

 しかし、ひがまれたり、うらやましがられたり、嫉まれたり、といった他者の視線が心地良くてたまらん、という人は、自己の煩悩に素直でありすぎるということだ。見栄を張るのは、自慢の煩悩の仕業である。

 この煩悩に無自覚のままであったり、あるいは歯止めがきかなくなると、待っているのは破滅だ。そんな自慢好きの人は友人からも距離を置かれる。

 見栄を張り続けないといけない生き方は、相当に疲れる。

 

 さて、先輩あるいは目上の者が、後輩などに食事などを御馳走することを「おごる」という。

 漢字にすると、「奢る」になり、過度なぜいたくをする、他人に御馳走する、という意味である。 奢侈(しゃし)。

 もう一方、「驕る」は、これも「おごる」と読み、自分に優れた能力や地位などがあるのをいいことにして他人を見下し、自分勝手な行動に出ることを意味する。驕慢(きょうまん)。

 

 「奢る」だけならば、まだ良いが、そこに良い格好をしたい、自己を誇示したい、などという「驕る」自慢欲求がふくまれてやいまいか。

 

好ましい奢り方↓

「いやいや、ここの会計は僭越ながら出させてもらうよ。いやいや、普段お世話になっているお礼だよ。こんなに頼りないのに、いつも先輩として顔を立ててくれて、力を貸してくれてありがとう、これからもよろしく頼むよ、厚かましいお願いだけれども、感謝の気持ちとして、ここは一つ奢らせてください」

 

よろしくない驕り方↓

「お、グラス空いたな、お酒を注いてやるよ。なに、いらない? オレの酒が飲めないっていうのか、生意気なヤツだな、目上から振る舞いを受けたら、有難く受け取れってんだ。ようし、オレが社会人のなんたるかを教えてやる」

この煩悩と似たようなバイアス……自己中心性バイアス、Always being right(常に私は正しい)

※筆者について以外の各エピソードは個人を特定できないように、内容を変更しています。